2011年6月16日(水)

04:00

:第3日目。快晴。

写真:

南気仙沼駅で演奏。この一帯は火災にも見舞われた場所。

今日も音楽を奉げることから始めるべく、三たび作業開始前のガレキの地に立つ。

2011年6月16日(水)

:北野神社付近

かどや旅館近くの北野神社に詣でる。参道が気仙沼線の線路を跨いでいた。

写真:

向こうの気仙沼駅に列車が入ったまま。この線路に再び列車が通る日が早く来ることを願う。

町は鄙びた旧い建物が多いが、水の来なかった地域で、倒壊したり崩れたりした建物はほとんど見られない。

写真:

激震には耐えながら、ほとんどが津波による被害だったということになるのか。

2011年6月16日(水)

10:00

:クボホームセンターにて演奏。

演奏スペースと、紹介の張り紙を用意してくださっていた。

写真:

お店入口に向かう通路に設けていただいた特設ステージ。

多くの方が足を止め、聴いてくださった。銀の鈴社提供の「手づくりバッグ」は既に品切れだったので、終演後持参したCDをお配りする。

2011年6月16日(水)

11:30

:帰路。

全予定終了。一路東京へ。R45を南下。

写真:

海岸線に沿ったR45。未だ深い爪あとが刻まれている。
向こうに見えるのは、気仙沼線の高架。

:結び。

ついこの間まで、この三陸はリアス式海岸の入り江に小さな漁村が点在する風光明媚なところだった。ズタズタにされたこの現状からの復興には、まだ尚多くの時間がかかるだろう。その間、ここに生きるみなさんは、この現実と、向き合い続けなければならない。

あの日から3ヶ月。少しずつ、日常が戻ってきているように見え、みなさんも明るく接してくださる。でも、本当は、やるせない気持ちで一杯なのだ。しっかりしなければとの想いで、ギリギリの所で立っておられるのだ。

ガレキは、それでも少しずつ整理されている。でも心の中は、簡単に整理などつくわけがない。生活があった場所、そこにいてあたりまえの存在、が失われた。その空虚感は想像を絶する。

遠く離れた場所にいる我々の周囲からは、ともすると、もう震災は過ぎたことと、すでに風化が始まっているかもしれない。でも、忘れてしまってはならない。ここに生きるみなさんには今も"現実"だし、これからも"現実"なのだ。

現在は、穏やかでどこまでも美しい、この三陸の海を、みなが、せめて心穏やかに眺められる日が来るまで、応援し続けよう。

写真:

空と海。